公開日 2022/4/23
「何回勉強しても頭に入ってこない」
「この前暗記した内容をすぐに忘れてしまう」
このように感じる人は少なくないんじゃないでしょうか。
人間が暗記をするのは脳科学の観点から、あまり得意ではないということが明らかになっています。しかし、世の中には暗記が得意という人もいます。
このような人達の違いはただ一つ「正しい暗記の方法」を知っているかどうか、これだけです。正しい暗記のやり方さえ知っていれば誰でも暗記力を伸ばすことは出来ます。
そこで今回の記事では効果的な暗記の方法を紹介していきたいと思います。
人間の脳はインプットした情報を必要かどうか判断して仕分けを行います。このとき脳は「生きていくために不可欠」かどうか判断して取捨選択しているため、覚える必要性の低い勉強の内容は優先的に忘れられてしまうわけです。
では、どうすれば脳に必要な情報であると判断させれば良いのでしょうか。
それは復習を重ねてこれは必要な情報であると脳をだますことです。復習を重ねて何度もアウトプットすることで脳はこれは重要な情報だと認識し始めます。では、どのようなタイミングで復習するのが良いのでしょうか。
「エビングハウスの忘却曲線」によれば人間の記憶は1ヶ月何もしなければ忘れてしまいます。これを基に東京大学薬学部教授の池谷裕二氏は1ヶ月以内に「4回」の復習を行うことで覚えたことが忘れにくくなることを示しています。
この復習のタイミングは1回目が学習した翌日、2回目は一週間後、3回目は2週間後、4回目は1ヶ月後です。このタイミングで復習を挟むことで忘却曲線が段々と緩やかになり記憶の保持性能が上がるとされています。
ここでは4回と紹介しましたが、人によっては3回で定着できる人もいれば8回かかる人もいます。色々試してみて自分の脳にあった復習のペースをつかんでいくと良いでしょう。
机に向かって暗記をひたすらするよりも実は動きながら覚える方が暗記の効率は良いとされています。
アメリカのイリノイ大学の研究で、被験者に英単語を30個覚える前に10分間歩かせると、歩かせなかった被験者よりも25%単語を覚えているという結果が得られました。
脳は一つだけでなく、同時に様々な部分を刺激することによってより活性化するため勉強と運動の二つの刺激を脳に与えることによって脳の刺激が増え記憶の保持性能を上げてくれる効果があります。
歩きながらなどの軽い運動を取りながらが一番記憶力が上がり効果的と言われています。しかし、あまり激しい運動を取り過ぎると脳が酸欠になるため注意が必要です。
朝は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ一番活性化している時間とよく知られていますが、実は暗記をする際には朝ではなく夜の寝る30分前ぐらいが一番ベストな時間帯と言われています。
人間は寝るときにレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しますが、このレム睡眠の間に脳の「海馬」という器官に記憶を定着させ、ノンレム睡眠の間に記憶を結合するのが理由です。
また、この時間帯ではテレビやスマホをいじらないように気をつけましょう。スマホなどをいじると一度に沢山の情報が頭に入るため、直前に暗記した内容の定着を妨げる原因になります。また、ブルーライトは脳を覚醒させてしまうため睡眠を妨げる原因になります。十分な睡眠時間を取れないと記憶の定着に繋がらないので気をつけましょう。
脳に情報をインプットしたときに意味の無い情報はすぐに忘れて言ってしまいますが、意味がある面白い情報なら脳に刺激を与えるので記憶に残りやすくなります。
わかりやすい例でいえば「語呂合わせ」などが挙げられます。歴史などで年号とともに何が起きたかを良く暗記しますが、単純に数字と起きた出来事を覚えるよりも「鳴くよ(794)ウグイス平安京」のように意味のある文章にすることで脳が思い出しやすくなります。
関連付けの技術は、自分の興味がある分野などと結びつけるとなお覚えやすいでしょう。どんなくだらないことでも自分が面白いと思ったらそれを想像して覚えてみてください。
効果的な暗記の方法を紹介しましたが、いずれにも共通することは「脳を刺激すること」です。この部分に意識しながら地道に暗記を積み重ねていきましょう
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