公開日 2022/4/29
朝目覚めてもまだ眠気を感じたり、疲れが取れた気がしないという経験がありませんか?
ある実験では睡眠不足になるとミスが増えるという実験結果も出ており、やはり睡眠とパフォーマンスには強い関係性があることがわかっています。
睡眠不足になってしまうのは睡眠の時間が足りないのではなく睡眠の質そのものが悪いことが原因の可能性があります。
そして睡眠の質を悪くしている原因は実はきちんとしたパジャマを着ていないことかもしれません。
2013年にワコールが新社会人310人に行ったアンケートによると就寝時にはスウェット・ジャージを着ている人の割合が46.4%で若い世代の間ではパジャマ離れが進んでいます。
そこで今回の記事ではパジャマを着ることで睡眠にどのような効果があるか解説します。
寝返りと聞いて「寝相が悪い」や「寝苦しい」などマイナスなイメージを持ちがちですが、実は快眠のために寝返りは必要不可欠なのです。
体系的な理論と技術に基づいた身体の施術を行う虎ノ門カイロプラティック院院長の碓田琢磨氏によると、人間は一晩に20〜40回寝返りをするらしく、この数値から外れてしまうと身体に良くないそうです。
では、寝返りをすることで健康にどのような影響があるのかについてご紹介します。
皮膚温調整作用 ずっと同じ体勢で寝ていると身体と寝具が同じ面で接して熱が籠もってしまい皮膚の温度が上がってしまいます。また、発汗も抑制してしまうため体温調節ができなくなってしまいます。 実は睡眠と体温は大きな関係を持っていて、深部体温と呼ばれる身体の内部の温度が下がることによって睡眠で脳や身体を休ませることができます。 なので、同じ体勢で熱が持ってしまったり、発汗できなくて体温を下げることが出来なくなると睡眠の質が悪くなってしまいます。
睡眠サイクルのスイッチ役 人間は寝ている最中にレム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を交互に繰り返しています。 この二つの睡眠は大体90分ほどのサイクルで繰り返されると快適な睡眠に繋がるとされています。 睡眠コンサルタントである友野なお先生によると寝返りにはレム睡眠とノンレム睡眠の切り替えをリズム良くする効果があり、快適な睡眠へと繋げてくれるそうです。睡眠時間は6時間以上で、この二つの睡眠の切り替えを4回程繰り返すことによって十分な睡眠になるそうです。
血流促進効果 ずっと同じ姿勢でいると身体に同じ部分に圧力がかかってしまうため血液の流れが滞ってしまいます。 しかし、寝返りを打つことで身体の圧力のバランスを直して血液や体液の流れを整えることができます。 血行不良になると肩こり、腰痛などの痛みとして身体に現れたり、冷え性になって頭痛やめまいなどの症状を引き起こしやすくしてしまいます。 ジャージやスウェットを着用していると寝返りが打ちにくいですが、パジャマは生地に伸縮性があるためどんな姿勢で寝ていても楽に寝返りが出来るようになっています。
スリープセレモニー スリープセレモニーとは布団に入る前に行う決まった行動のことで、快眠へと繋げる効果があります。 2012年にワコールが行ったアンケートでは80%以上の人がスリープセレモニーを行っており、パジャマに着替えることをスリープセレモニーとして行っていた人は32%いました。 眠りと入浴の専門家である小林麻利子氏によればパジャマを着ることによって脳を睡眠モードに切り替えられ快眠へと繋げられるので効果的なスリープセレモニーだそうです。 また、ワコールとオムロンヘルスケアは協働で「パジャマと眠りに関する共同実験」を行いました。20〜40歳代の男女を対象に普段着ている服とパジャマで寝付くまでにかかる時間を測定したところ、普段の服は平均47分で、パジャマの時は平均38分という結果が出ました。
さらに、パジャマを着ることによって深い睡眠に入ることができることがわかりました。夜中に目覚める回数を量ったところ、普段の服で寝た場合は目覚める回数が平均3.54回でしたが、パジャマを着て寝ると平均3.01回でした。 人間は活動しているときに活発なっている交感神経と、眠るときなどのリラックスした状態に活発になる副交感神経がありますが、スリープセレモニーは交感神経から副交感神経への切り替えをスムーズにしてくれるためこのような快眠効果が現れてきます。
パジャマを着ることで睡眠効果は確かにありますが、パジャマの選び方によっては逆に睡眠を妨げてしまう効果があるかも知れません。そこでパジャマを選ぶ際に気をつけるべきポイントについてご紹介します。
着たときにぴっちりしてて身体を締め付けるパジャマはリンパ系の流れを遮断する可能性があります。
リンパ系には有害物質を体外にだすはたらきや免疫系でも重要な働きがあるため、この部分の流れが滞ってしまうと身体に悪影響が出てしまいます。
パジャマを選ぶときには着心地が良くて動きやすいものを選ぶようにしましょう。
脳科学者である茂木健一郎氏によると、実はパジャマなどの寝具の色が睡眠の質に関係があるとされています。
目をつむったら色なんて関係ないと思うかもしれませんが、心理学にプライミング効果というものがあり、この影響で睡眠に影響が出ていると考えられています。
これは最初に受けた刺激によって後の行動に影響を与えることで、例えば小さい頃に良くやった10回クイズなどがその一例です。
ピザと10回言って、その後にヒジを指しながらこれは何?と聞くとヒザと答えてしまいますが、これもプライミング効果の一種です。
それと同じように睡眠でも寝る直前に見た色によってその後の睡眠の質が変わってきます。
興奮色と呼ばれる赤やピンクなどの色は覚醒に繋がってしまうため選ばない方が良いでしょう。
パジャマに取り入れるなら青や緑などの寒色系の色だと心を落ち着かせるので、リラックス効果があり快眠に繋がるでしょう。
パジャマを選ぶときは吸湿性や保湿性があるものを選ぶようにしましょう。
吸湿性がないパジャマだと夏場などに汗がべたついて寝づらさの原因になってしまいます。
保温性がないパジャマは冬場の寒い日に体温を外に逃がしてしまい値付けが悪くなってしまいます。
ストレスを感じずに睡眠をするにはこれらの性能はとても重要です。
パジャマは季節毎に様々な種類があるため、夏は吸湿性、冬は保温性に優れたパジャマを選ぶようにすると良いでしょう。
パジャマでの睡眠効果についてはわかってもらえたと思いますが、以下のことに気をつけるとより睡眠を改善することができます。
睡眠の質を上げたい人は是非試してみてください。
入浴をすることによって身体を睡眠モードに切り替えることができます。
入浴にもコツがあり、約2時間前に38℃程度のぬるい温度のお湯につかると効果的な睡眠を取ることができます。
入浴することで深部体温という身体の内部の温度を調節することができます。
人間は睡眠をする際に体温が徐々に下がっていきますが、入浴をして深部体温を上げておくことで時間をかけて徐々に体温が下がるため、寝るための身体の状態にすることができます。
また、38℃程度の温度につかることで副交感神経を活発にすることができます。副交感神経はリラックスしているときに活発になる神経のことで、睡眠の質を上げる効果があります。
就寝時には胃の消化が全て終わった状態にさせると良いです。
胃に食事が残っている状態だと脳が消化を優先させ交感神経を活発にさせてしまうため脳や身体が十分に休まらなくなってしまいます。
一回の食事の消化には大体3時間かかるのでベッドに入る直前にご飯を食べないようにしましょう。
また、夕食は脂質を控えめにしましょう。脂質は一番消化に時間がかかるため3時間前までに食べ終わっていたとしても消化が終わっていない可能性があります。
炭水化物、タンパク質は消化に良い食べ物なので、十分に睡眠を取れない人は白身魚、ささみ、米、うどんなどを食べると良いでしょう。
パジャマを着るという些細な行為ですが、これをするだけで睡眠の質を大きく改善することができます。
今まで服装を特に気にしたことがない人は是非これから寝るときはパジャマを着るよう心がけてみてください。
©cfcmedia.jp All Rights Reserved.