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公開日 2022/5/3

昼休憩にパワーナップをするだけで作業効率が段違いに変わる理由

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睡眠があまり取れていなくて昼頃に眠気を感じてしまい作業に集中できないという悩みを抱えた経験はありませんか?

多忙な日々を送っている人にとっては満足に睡眠を取れるタイミングが少なくて睡眠不足を解消できずにまた作業に集中できないという悪循環に陥ってしまいます。

そんな問題を解決するために最近パワーナップという仮眠方法が注目され始めています。

今回の記事ではパワーナップの効果とより効果を上げるためのポイントについて解説します。

パワーナップとは

パワーナップとはアメリカのコーネル大学の社会心理学者であるジェームス・マース氏が提唱した15〜30分程度の仮眠のことです。

パワーナップには生産性を上げられる効果があると注目が集まっており、Google、Apple、Microsoft、NIKEなどの世界的有名な企業が昼休憩に取り入れ始めています。

睡眠不足を感じる人はもちろんですが、しっかり睡眠を取っていて不調が特にない人でもパワーナップは効果があります。

なぜパワーナップは効果的なのか

人間には体内時計があり、朝に目が覚めて、夜に眠くなるという睡眠タイミングの調整をする機能があるのですが、実は人間の体内時計のリズムでは昼の13時から15時頃に眠気のピークが来るタイミングがあります。

なので昼休憩のタイミングでは寝不足の人もそうでない人も全員眠気を感じるようになっています。

このような理由から、昼のタイミングで仮眠を取ることで眠気を飛ばすことができるためパワーナップには作業効率を上げてくれるという効果があるとされています。

科学的効果についてはNASAが実験によって実証しています。

NASAは「NASA naps」と呼ばれる仮眠研究を1995年頃から行っており、その実験結果では昼に26分の仮眠を取ることによって認知能力が34%、注意力は54%も向上したそうです。

また三菱地所では2018年にニューロスペースと共同実験を行っており、被験者12人に仮眠なしで2週間、30分の仮眠ありで2週間過ごしてもらいJINS MEMEで集中スコアを測定したところ仮眠ありのグループは約5ポイントスコアが向上したという結果が出ました。

アンケートでは生産性が良くなったと約70%の人が回答しており実際に効果を実感できています。

日本でも最近パワーナップが注目され始めており、その背景には「働き方改革」と「労働人口の減少」があげられます。

残業時間の削減や働き手の減少の影響で会社側は今までよりも生産性を上げざるを得なくなりました。

そこでそれらの問題解決としてパワーナップが注目され始め、日本では既に東急不動産株式会社や三菱地所などの大手企業がオフィスに仮眠スペースを導入しています。

パワーナップの効果を高めるポイント

パワーナップの有用性は確かですが、やり方を間違えてしまうとかえって逆効果になってしまう可能性があります。

そこでパワーナップの効果を最大限に高めるためのコツについてご紹介します。

コーヒーを飲む

仮眠を取っても起きた後に目が覚めなくて作業に集中できなかったら本末転倒です。そこでパワーナップをする前にコーヒーを飲むようにしましょう。

コーヒーに含まれているカフェインには、脳を落ち着かせようとするアデノシンの働きを途中で邪魔するため覚醒作用があると言われています。

しかしアデノシンが消えるわけではないので時間がたつとまた眠気を感じ始めてしまいます。

そこで仮眠を取ることで脳内のアデノシンの数を減らし、カフェインで眠気を覚ますことができるためパワーナップの前にコーヒーを飲むことは効果的であるとされています。

仮眠前にコーヒーを飲むことの効果についてはイギリスのラフバラー大学で実験が行われ、コーヒーか仮眠どちらかだけのグループとコーヒーを飲んで15分仮眠を取ったグループに分けてドライビングシュミレーターをプレイさせたところ、コーヒーを飲んで仮眠を取ったグループの方がミスが少なかったという結果が出ました。

パワーナップをするときには是非コーヒーと一緒に実践してみてください。

完全に横にならない

横になって眠ってしまうと深い睡眠に入ってしまい起きるのが難しくなってしまいます。

オフィスに仮眠スペースを提供している西川株式会社の研究機関メンバーである安藤翠氏によるとベッドの角度を30度にすることで入眠しやすく、なおかつ眠りすぎない環境にすることができるそうです。

また仮眠環境がない人は自分のデスクで仮眠用の枕を使い仮眠を取ることでもパフォーマンス向上の効果を見込めるそうです。

デスクに突っ伏していると身体が痛くなってしまいますが、専用の枕を使うことで身体にかかる重みが分散されて楽に眠れるようになります。

枕は丸めたタオルでも代用することができるそうです。

光を遮断する

光は睡眠を大きく乱す恐れがあります。ブラウン大学の研究チームによる研究で皮膚にはロドプシンという目の網膜にもある光を認識する物質があることが確認されました。

このロドプシンが睡眠を妨害するかに関する実験をコーネル大学の研究チームが行ったところ、真っ暗な中で眠っていた被験者はごく一部分に光を当てられただけでメラトニンという睡眠促進さようのあるホルモンの分泌に変化が生じたという結果が出ました。

この結果からアイマスクだけでは光を完全に遮断することができないことがわかりました。

一番良いのは遮光カーテンを設置して部屋の電気を消せることですが、オフィスでは難しい条件ではあります。

なので仮眠を取るときにはできるだけ窓際から離れた奥にある暗い場所を選ぶようにしましょう。

30分以上は寝ない

パワーナップは短時間の睡眠だからこそ効果を発揮するため、30分以上の睡眠になってしまうと仮眠の効果がなくなってしまう可能性があります。

人の睡眠には浅い睡眠のレム睡眠と深い睡眠のノンレム睡眠があり、この2つを一定のリズムで切り替えながら睡眠を行っています。

入眠すると最初にノンレム睡眠が来ますが、カリフォルニア大学の神経科学者マシュー・ウォーカー氏の研究ではノンレム睡眠には4つのステージがあるとされています。

20分ほどの睡眠だとステージ2になり、この状態では脳の情報を整理してくれる効果や、優先順位を付けるワーキングメモリが強化されることが判明しており、これによって頭がスッキリした状態になって作業に臨むことができます。

しかし睡眠を30分以上続けるとさらにステージ4まで進み、より深い睡眠になってしまい起きても眠くて頭が働かなくなってしまいます。

パワーナップは30分以上とらないようにタイマーでしっかり時間を管理するようにしましょう。

パワーナップを使うことで仕事の出来る人間になれる

会社で成果を出したいと考える人にとってはパワーナップはとても重要です。

2019年の厚生労働省による調査によると、日本人で睡眠時間が6時間未満の人の割合は男性で37.5%、女性で40.6%という調査結果が出ました。

このように慢性的な睡眠不足の人が今の社会では多いです。睡眠不足の状態だと脳が働かなくなって注意不足になりミスが増えてしまいます。つまり、睡眠は仕事での成果に直結してくるということです。

しかし、パワーナップを使うことで睡眠不足解消の効果があるため、今までうまくいかなかった仕事も頭が冴えている状態だと良い成果を出せるようになり今まで以上の成果を出せるようになるかもしれません。

まとめ

パワーナップで普段より生産性を上げることができるようになります。

しかし、パワーナップにも気をつけないことがいくつかあり、ただの昼寝だと思って寝ることだけを意識すると効果を実感できなくなってしまいます。

パワーナップをする際は「コーヒーを飲む」「完全に横にならない」「光を遮断する」「30分以上寝ない」この4つを意識して仕事が出来る人間を目指していきましょう。

【ライタープロフィール】

現役のエンジニア・ライター・マルチクリエイター 実際にエンジニアとして日々プロジェクトを運営している経験を活かして、読者の皆様に寄り添った記事発信を心がけています

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