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公開日 2022/4/30

記憶のプロのほとんどが使っている記憶術「場所法」について解説

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勉強において暗記が苦手だと悩んでいる人は少なくないと思います。

一回覚えてもまた少し経ったら忘れてしまうためまた覚え直す、といった悪循環を繰り返してしまう人もいると思います。

そのような人達には場所法を使うことがおすすめです。

場所法や不通の暗記法に比べて一回で長期的に記憶に残すことができる効果的な記憶術で、記憶が得意な人はほとんどこの方法を使っています。

そこで今回の記事では場所について詳しくご紹介したいと思います。

場所法とは

場所法とは場所と覚えたいものを関連付けて覚える方法のことで、この方法はジャーニー法やシモニデス記憶術など様々な呼ばれ方をされています。

この方法が生まれた起源は古代ギリシャにあります。

古代ギリシャにいたシモニデスという詩人が貴族へ詩を疲労させるために宴会会場の宮殿へいったときに大地震が起きて宮殿が崩壊してしまいました。

その場にいた人達は屋根の下敷きになり死亡してしまい、さらには遺体の損傷が激しく身元の判別がつきませんでした。

しかし、シモニデスは参加者全員の位置を家具や場所と関連付けて覚えていたため遺体の判別ができました。

これがきっかけでシモニデスは場所や道具と関連付けることによって記憶力が上がることに気づき、今の場所法が確立されました。

この場所法は実際に今でも定番の記憶術として使われていてメモリースポーツという記憶力を競う競技においては選手のほとんどが使用しているほどです。

この場所法が好まれて使われている理由には、他の記憶術に比べて長期的に記憶に残すことができる方法だからだと言われています。

実際にその効果については科学的に証明されています。

場所法を使うメリット

長期記憶へと繋げやすい

記憶術には「ストーリー記憶法」や「語呂合わせ」など有名なモノがいくつかあります。

これらの記憶術はすぐに覚えることができるため効果的ですが、短期的な記憶になるという欠点があります。

しかし、場所法は長期的な記憶として残すことができます。

短期記憶は数十秒から1日程度しか記憶に残りませんが長期記憶は何十年も記憶することができ、短期記憶よりも記憶の容量が大きいとされています

場所法が長期記憶として残りやすい理由は2014年にイギリスのロンドン大学のオキーフ博士とノルウェー科学技術大学のモーザー博士夫妻が科学的に証明しており、この研究はその年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

研究ではねずみに部屋の中を歩き回らせて脳を観察したところ、ある特定の場所に来たときに海馬のなかにある細胞が反応していることがわかりました。

この細胞は場所細胞と呼ばれ、場所を記憶するためせんようの細胞であることがわかりました。

このような理由から人間は場所に関する記憶が得意であり、それに関連付けて覚える場所法が有益であることが示されました。

簡単に使える

場所法は場所と単語さえあれば簡単に記憶することができるため比較的簡単な記憶術です。

語呂合わせと比べてみると、語呂合わせはとてもインパクトに残りやすく簡単に覚えることができますが、全ての勉強に活用するのはなかなか難しいです。

歴史の勉強で年号などを覚えるときには既に作られている語呂合わせがあり有効的ですが、例えば、英単語の暗記をするときはいくつか語呂合わせが作られているものもありますがそもそもの量が多すぎてカバーしきれなかったり、資格勉強などでは分野が専門的すぎてあまり考えている人がいなかったりと全ての場面で語呂合わせを有効活用するのは難しいです。

しかし、場所法は勉強のジャンルなどに縛られることがないため、どんな場面でも応用することができます。

場所法のやり方

それでは実際に場所法のやり方について解説していきます。

手順1:場所を決める まずは場所を決めるようにしましょう。自宅、通学路、デパート、学校など自分がよく知る場所ならどこでも大丈夫です。今回は家を例にして場所法をやっていきます。そして次にいくつかの家の場所と順番を決めます。今回は以下のように設定しました。 ①玄関②廊下③洗面所④浴室⑤リビング

手順2:場所と覚えたいものを関連付ける 次に覚えたいものと場所を関連付けます。今回覚えたいものは「牛乳」「トマト」「マヨネーズ」「チーズ」「卵」だとして、組み合わせは何でも大丈夫なのでそれぞれの場所と覚えたいものでシチュエーションを考えます。

  • 「玄関」が「牛乳」で水浸しになっている
  • 「廊下」の壁中に潰れた「トマト」がついている
  • 「洗面所」の蛇口から「マヨネーズ」が出てきた
  • 「浴室」の浴槽が「チーズ」フォンデュになっていた
  • 「リビング」で鶏が「卵」を産んでいた

このときできるだけオーバーな表現で関連付けると良いです。脳科学や学習医学に基づく指導を行う吉田たかよし先生によると、頭に情報をインプットするときに驚きや意外性が伴うと記憶に残り思い出しやすくなります。

手順3:場所をたどって思い出していく シチュエーションができたら順番通りに場所をたどっていって思い出していきましょう。家のそれぞれの場所では何がどんな状態になっているかを頭で再現していきます。

これが場所法の一連の流れです。

イメージ力向上で場所法をより効果的に使いこなす

場所法において一番重要な部分は手順2の「場所と覚えたいものを関連付ける」の部分です。

ここでわかりやすいイメージができることでその後の思い出しやすさに直結します。

紹介した例ははっきりとした物なのでよかったですが、これが抽象的な情報になってくるとどのように置き換えれば良いかわからなくなってしまい悩んでしまいます。

そこでより場所法を効果的に使えるようになるためにイメージ力を鍛えるトレーニングをすると良いでしょう。

記憶術に関するセミナーや執筆を手がけている宮口公寿詩によると抽象的な言葉を具体的な物に置き換えていくトレーニングをすると良いと言われています。

例えば「頭の良さ」「愛」「努力」など抽象的な概念を決めて、それについて1日に5分間で10〜30個を目安に具体的な物を書き出すようにしましょう。

イメージは記憶においてとても大事なスキルなので是非トレーニングして鍛えてみてください。

まとめ

場所法を使うことで今まで覚えにくいと感じていたものもあっという間に覚えられるようになります。暗記が苦手だと感じる人は是非試してみてください。

【ライタープロフィール】

現役のエンジニア・ライター・マルチクリエイター 実際にエンジニアとして日々プロジェクトを運営している経験を活かして、読者の皆様に寄り添った記事発信を心がけています

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