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公開日 2022/5/2

睡眠前の腹式呼吸で驚くほどの回復効果がある理由

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腹式呼吸という言葉を一度は聞いたことがあると思います。

あまり知らない人にとっては普通とは違う特別な呼吸ぐらいに感じるかもしれませんが、実は腹式呼吸は身体へ大きく影響を及ぼすことがわかっており、多くのスポーツマンが取り入れていたり、出産の際に用いられていたりなど幅広い場面で活用されています。

私たちに身近な腹式呼吸の効果は疲労回復です。

マイボイスコム株式会社が行った調査によれば日本人の約6割の人は普段の生活で慢性的な疲労を感じているそうです。

そこで今回の記事では腹式呼吸による疲労回復効果と正しいやり方について解説します。

通常の呼吸と腹式呼吸の違い

人間が行う呼吸には大きく「胸式呼吸」「腹式呼吸」の2つがあり、私たちが普段無意識で行っている呼吸は胸式呼吸です。

この呼吸では横隔膜をあまり使わずに胸の動きを使って肺に空気を入れる方法で、浅い呼吸になり、交感神経を優位にするのが特徴です。

一方で腹式呼吸はお腹と横隔膜を大きく動かして深く息を吸う呼吸法です。

つまり2つの呼吸の違いは胸を使って息を吸うか、お腹を使って息を吸うかという点です。

実際にそれぞれの呼吸をしているときに胸かお腹が膨らんでいるかでどっちの呼吸なのか見分けることができます。

腹式呼吸の効果

自律神経を整えられる

人間は日中に活動しているときは身体を興奮させる交感神経、夜にはリラックスさせる副交感神経が働くようになります。

しかし、忙しい人は夜でも活動しなければ行けなかったり、スマホを長時間見てブルーライトの影響で交感神経が夜に落ち着かなかったりとなかなか副交感神経に切り替わりません。

そこで腹式呼吸をすることでこのような自律神経の乱れを整えることができるようになります。

腹式呼吸には副交感神経を働かせてくれる効果があるため、夜の寝る前に行うことでリラックスした睡眠を取れるようになります。

また自律神経を整えることによって睡眠だけでなく、だるい、イライラする、疲れやすいなどの身体の様々な不調を改善することができます。

脳疲労回復

マインドフルネスという言葉をご存じでしょうか?

マインドフルネスとは過去や未来にとらわれないで心を今に向けるための方法のことです。

腹式呼吸はマインドフルネスと相性が良く、腹式呼吸を行い自分が今行っている呼吸に集中することで過去や未来の雑念が消えて今に集中することができるのです。

では、なぜ「今」に集中する必要があるのでしょうか?その理由は脳疲労のメカニズムにあります。

頭を使う作業や勉強をしているときはもちろんですが、実は何もしていないときでも脳には疲労が溜まっていきます。

その原因は脳のDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)という領域にあります。

みなさんはぼんやりしているときにさまざまな雑念が頭の中に出てくる経験はありませんか?

過去にしてしまった失敗や将来のできごとの不安や緊張など、考えても意味の無いことですが、実はこの状態にいると脳のエネルギーを大量に消費してしまいます。

今までの脳科学ではぼんやりした状態ではエネルギーが消費されないと考えられていましたが、アメリカの神経学者であるマーカス・レイクル教授が見つけたDMNではぼんやりしている状態の時にこの領域が活発になり脳の消費するエネルギーの約80%を消費していることががわかりました。

脳を休ませようとぼんやりする時間を取っている人もいるかもしれませんが、実はその時間の方が作業をしている時間よりも脳を酷使しているのです

おすすめの腹式呼吸のやり方

448呼吸法

ハーバード大学とソルボンヌ大学の客員教授である内科医の根来秀行氏がおすすめする448呼吸法には横隔膜を刺激して正しい呼吸を身につけることができ、3分間継続してやることで身体をリラックスさせることができるそうです。

  • (1)腹式呼吸を2~3回繰り返す
  • (2)お腹に手を置いて4秒かけて鼻から息を吸う
  • (3)4秒間息を止める
  • (4)8秒かけて鼻から息を吐く

鼻から息を吸うときにお腹がしっかり膨らむまで吸い込むことがポイントだそうです。

478呼吸法

この呼吸法はアリゾナ大学医学部のアンドリュー・ウェイル教授によって作られたもので、ヨガの瞑想で行う呼吸法の応用だそうです。

  • (1)息を完全に吐ききる
  • (2)鼻から息を吸いながら4つ数える
  • (3)息を止めて7つ数える
  • (4)8つ数えながら息をゆっくり吐き出す

実際に研究でアメリカの南カリフォルニア大学の研究グループが実験を行いました。

研究で平均66歳の49名を瞑想方法を教えたグループと睡眠に関する勉強を教えるグループにわけたところ瞑想のグループの方が睡眠の質が良くなったという結果が出ました。

実際にこの方法は安倍首相も使っていました。寝付けない人にはとてもおすすめの呼吸法なので是非試してみてください。

腹式呼吸のポイント

猫背にならない

腹式呼吸は横隔膜を大きく動かすことで酸素を取り込みやすくしますが、猫背になると横隔膜が圧迫されてしまい動きにくくなるため酸素が取り込みにくくなり呼吸が浅くなってしまいます。

猫背の原因にはスマホの使いすぎが考えられます。スマホを使うときほとんどの人が前のめりの姿勢になるため背中が丸まりやすいです。

腹式呼吸を行う前にまず姿勢をただすことが大事です。

口呼吸をしない

深呼吸をするときによく口から思いっきり吸う人はいると思いますが、実は口呼吸はあまり良くない呼吸です。

本来の人間の呼吸機能は鼻呼吸であり、口呼吸はあくまで補助的な役割です。

しかし、日本人の約8割は口呼吸になっているという調査結果が出ています。

スマホやPCをして下を向いていると鼻呼吸の気道確保が難しくなって楽な口呼吸になってしまうのが原因です。

口呼吸は鼻呼吸に比べて浅い呼吸になってしまいます。

なので酸素を十分に取り込むことが出来なくなり身体全体への酸素供給が遅くなってしまいます。

また、口から空気を取り入れるためウイルスに感染しやすくなってしまいます。

このように口呼吸はデメリットが多いため腹式呼吸をする際は鼻呼吸でするようにしましょう。

呼吸の終わりを意識する

腹式呼吸は深く呼吸をすることが大事ですが、最初に深く息を吸おうとして勢いを付けると荒くて浅い呼吸になってしまいます。

深い呼吸をするときは呼吸の終わりを意識するようにしましょう。

人には自然な状態で呼吸を行う「Beの状態」と能動的な状態の「Doの状態」の2つがあります。呼吸をするときには吸うときと吐くときの前半をBeの状態で行って、後半をDoの状態でするように医師忌諱しましょう。

そのようにして呼吸の終わりを明確に意識することで自然と息を吐ききったり吸いきったりできるようになり呼吸が深くなります。

まとめ

腹式呼吸には脳疲労回復や自律神経を整えて体調を回復する効果があります。

就寝前に行うことで心身をリフレッシュして翌日にはスッキリした状態で過ごすことができるようになるでしょう。

腹式呼吸をするときには「猫背にならない」「口呼吸をしない」「呼吸の終わりを意識する」の3つに気をつけてやってみてください。

【ライタープロフィール】

現役のエンジニア・ライター・マルチクリエイター 実際にエンジニアとして日々プロジェクトを運営している経験を活かして、読者の皆様に寄り添った記事発信を心がけています

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