公開日 2022/4/9
勉強やデスクワークを行っていると疲れやストレスが溜まって作業が行き詰まってしまうことがあると思います。この状態を放置してしまうとうまく成果をだせず、またストレスが溜まってしまう悪循環に陥ってしまいます。このような状態にならないために効果的なリフレッシュ方法をとっていく必要があります。
そこで今回の記事では短時間でタスク効率を上げられるリフレッシュ方法についてご紹介します。
アメリカの脳医学博士であるジョン・カバットジンが考案した「マインドフルネス瞑想」を行うことによってタスクの生産性を上げることができます。マインドフルネスとは過去の雑念などにとらわれず今この瞬間に意識を全て集中させることです。
カナダのブリティッシュコロンビア州の公立校で99人を対象に瞑想の効果についての実験を行いました。毎日3分×3回のマインドフルネス瞑想を4ヶ月行ったところ瞑想を行ったグループは算数の成績で行ってないグループよりも15%高いスコアを獲得しました。
マサチューセッツ・メディカル・スクール大学のジャドソン・ブリューアーの実験によるとマインドフルネス瞑想を行ったときに人間の脳は内側前頭前野と後帯状皮質という部分の活動が低下していることがわかりました。この部分は記憶や感情に加えてデフォルト・モード・ネットワーク(以下DMN)といった脳回路に深い関係を持っています。このDMNは心に雑念があるときに働く回路であり、これが働いているせいで脳のエネルギーの大部分が雑念に費やされてしまい目の前のタスクに集中できなくなってしまいます。過去の経験などの雑念にとらわれないようにするマインドフルネス瞑想を行うことで目の前のことに集中しやすくなるため生産性を上げることが出来るわけです。
効果的なマインドフルネス瞑想の方法については、日本マインドフルネス普及協会の奥田弘美氏が新著『1分間どこでもマインドフルネス』においてヴィパッサナー瞑想という方法を紹介しています。
(1)床に座布団や布を敷いてあぐら座りして、背筋を伸ばす (2)目を閉じて鼻から息をゆっくり吸い込み、空気が鼻を通る感覚を意識します。 (3)空気が出入りすることを鼻先で感じて「呼吸をしていることに気づく」。この作業をひたすら繰り返す。 (4)途中で仕事のことや嫌なことが頭に浮かんできたりしますが、この自分の思考や感情に意識が向いたらそれにとらわれずにまた鼻先の呼吸に意識を向けるようにする
これを1分間行うだけでも十分なリフレッシュ効果がありますが、時間がある場合は5分、10分と行えばより効果が期待されるので是非やってみてください。
窓を開けて新鮮な空気を取り込んでリフレッシュすることによって脳のパフォーマンスを向上させられることが科学的に判明しています。
ハーバード大学、シラキュース大学、SUNYアップステート医科大学の共同研究によれば、換気率を高めて化学物質の濃度、二酸化炭素の濃度を低くした環境で働いた結果、「よりよい空気を吸うと意思決定パフォーマンスが著しく改善する」ということが判明しました。
また、アメリカのローレンス・バークレー国立研究所のウィリアム・フィスク氏がCO2が脳の機能(意思決定)に与える影響について研究を行い、22人の被験者に3種類のCO2濃度の環境でテストを受けてもらったところ、**CO2濃度が低いほどテストの成績が高いことが判明しました。**これらからわかるとおり部屋のCO2濃度が下がれば脳のパフォーマンスを上げることが出来るわけです。
効果的な喚起を行うためには換気扇で空気の出口を作るだけでなく空気の入り口も作るようにしましょう。空気は入り口から出口へ流れていくため換気扇だけ付けても空気が流れていきません。窓やドアを開けて空気の流れを作るように心がけましょう。
パワーナップとは、コーネル大学の心理学者ジェームズ・マース氏が提唱した昼に取る20分程度の昼寝のことです。NASAの研究によれば昼に26分間の仮眠を取ることによって、認知能力が34%、注意力は54%向上することがわかりました。
人は夜中の午前2〜4時頃と、昼の午後2〜4時頃に眠気がピークになるように体内時計が設定されるため、昼に眠気を解消することによってパフォーマンスを上げることができます。
また睡眠の際に訪れるノンレム睡眠もパフォーマンス向上に関係しています。ノンレム睡眠には4つのステージがあり、カリフォルニア大学の神経科学者マシュー・ウォーカー氏の研究によれば、入眠20分ほどで訪れるステージ2のノンレム睡眠は脳内の情報を整理したり、優先順位を付ける脳のワーキングメモリが強化されることが判明しました。このような理由でパワーナップは脳のパフォーマンスを上げてくれます。
しかし長すぎる仮眠を取ると深い睡眠に入ってしまい脳が寝るための状態になってしまうためパフォーマンスが下がってしまいます。パワーナップは20分前後で済ませるようにしましょう。
作業で疲れたときに気分転換で散歩を行うと良いリフレッシュになります。
日光を浴びることによって人間の脳内にはセロトニンというホルモンが分泌されます。これは幸せホルモンと呼ばれていて、脳のパフォーマンスを上げて、精神を安定させる働きを持っているためリフレッシュ効果があります。セロトニンが欠乏するとストレスや疲労、イライラ、仕事への意欲低下などの症状が出てきてしまいます。
また、散歩をすることによって血流を促進させて脳のパフォーマンスの低下を防ぐことができます。血流量が減少すると脳への酸素の運搬効率が悪くなるため、脳が十分に働くことができなくなってしまいます。
身体の筋肉の約70%は下半身に集中しているため、足を動かさないと血流が停滞してしまいます。シドニー大学が行った調査によれば世界20カ国の据わっている時間の平均が5時間に対して日本人は約7時間と他の国に比べてとても長いことが判明しました。
ミズーリ大学の研究では1回に10分間のウォーキングを合計3回行うことが効果的であると言っています。空き時間には座りっぱなしではなく少し立って歩いてみるようにしましょう。
疲れやストレスが溜まって作業が行き詰まってしまうことはどうしても起きてしまいます。そのときは無理に続けずに、今回ご紹介したリフレッシュ方法を是非試してみてください。
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